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    ツグ君とベルさん

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      ( ずっと一緒 )

       

       

      陽射しがトウキビの葉っぱを縫って

              ツグ君のシャツに模様を付けます

       

      ツグ君が走れば 模様も走ります

       

      「 おばあちゃん、お髭の黒いこのトウキビも捥いで良い? 」

       

      「 どれ、どれ 」

       

      おばあちゃんはトウキビの皮を少しめくり

       

      「 次春、これを捥いだらエンドウ豆も集めておくれ 」

       

      「 うん、わかった 」

       

      ツグ君はトウキビの髭をちぎり、それを顎に当てると

       

      「 あ〜ちゃん、お爺さんだぞぅ 」

       

      「 あ〜ちゃんも、あ〜ちゃんも 」

       

      ・ ・ ・

       

      エンドウの畑は人を拒むように

       

      その弦を城壁の様に伸ばし 行く手を阻んで居るように見えます

       

      ツグ君は畑の奥まった場所に

       

      一際大きなエンドウ豆の実を見つけ

       

      両手でその実を引き千切ろうと引っ張ります

       

      ドシン!

       

      弦が千切れると同時にツグ君はしりもちをついてしまいました

       

      「 あれ? 」

       

      両手で包んでいるエンドウの鞘が淡い緑色に光っている

       

      指先を少しずつ広げると 声が聞こえます

       

      「 ファァ〜ッ 」

       

      広げた手のひらの上で 小さな妖精が伸びをしています

       

      ツグ君は、顔を近づけ覗き込むように

       

      「 僕は川上次春、君はだぁ〜れ 」

       

      「 あっ、わかった、ベルさんでしょ 」

       

      「 僕、ご本で読んだことが有るから知ってるんだぁ 」

       

      パフッ

       

      ツグ君は手のひらをいきなり閉じると走り出し

       

      「 おばあちゃん、ベルさんを見つけたよ 」

       

      おぱあちゃんは ツグ君の差し出す手のひらを眺め

       

      「 大きなエンドウだけど それだけじゃ足りないよ 」

       

      ツグ君の肩の上で声が聞こえる

       

      「 フフフ、ベルはツグ君にしか見えないよ 」

       

      「 次春、エンドウ豆をこのザル一杯に

                   取って来ておくれ 」

       

      おばあちゃんはツグ君にザルを渡すと

                トウキビの入った籠を持ち上げ

       

      「 ばあちゃんは、ちょっとトウキビを

                  家に置いてくるからね 」

       

      と言って、ツグ君の話は聞いて貰えません

       

      「 あ〜ちゃん、あ〜ちゃんはベルさんが見える? 」

       

      「 あ〜ちゃん、わかんない 」

       

      ベルさんはあ〜ちゃんの肩の上に乗って

       

      「 フフフ 」と笑い

       

      淡い光を残して、スゥーとエンドウ畑に消えていきました

       

      ・ ・ ・

       

      夕ご飯を済ますと おばあちゃんが

       

      「 次春、彩那、パパとママに

               おやすみなさいをしようね 」

       

      ツグ君は慣れた手つきで仏壇の引き出しから

                     お数珠を取り出し

       

      「 はい、あ〜ちゃん 」

       

      二人はおばあちゃんの後ろに並んで正座をします

       

      チーン

       

      ツグ君はパパの匂いを覚えています

       

      ママの匂いを覚えています

       

      パパとママを車ごと飲み込んだ

            赤い赤い炎を覚えています

       

      「 ナムナム・・・・ 」

       

      「 おやすみなさい 」ペコリ

       

      「 次春、寝る前にオシッコに行くんですよ 」

       

      「 もう行ったよ 」( 噓です )

       

      「 おにいちゃん、オネショしちゃだめですよ 」

       

      「 あ〜ちゃんは、うるさいのっ 」プンプン

       

      布団の中でウトウトしていると

       

      「 ツグ君、ツグ君、オシッコに行くんでしょ 」

       

      「 う〜ん 」

       

      「 ツグ君、ツグ君、起きて、起きて 」

       

      瞼を少し開けるとベルさんが鼻の頭に立っています

       

      ツグ君は目をこすりながら布団から立ち上がると

       

      おじいちゃんが「 ツグ、どうした 」

       

      「 うん、オシッコ 」

       

      「 おぅ、行っといで 」

       

      縁側に出ると トイレまでの廊下を

       

      ベルさんが案内するみたいに

       

      スィー っと淡い光の筋を付けて飛んで行きます

       

      バタン

       

      オシッコが終わり トイレから縁側の廊下に出ると

       

      少し冷たい風が ツグ君の背中を押します

       

      エッグッ!

       

      ツグ君の瞳から大きな涙が頬を伝い落ちてゆきます

       

      「 ママ、・・ママ 」

       

      ウゥッ、ウゥッ、ウッ、ウッ、

       

      涙がとめどなくポロポロと落ちていきます

       

      「 ツグ君、泣かないで 」

       

      「 ツグ君、ツグ君、 」

       

      「 ベルがついているからね 」

       

      「 ベルはずっと一緒だからね 」

       

      ベルはツグ君のほっぺに体を摺り寄せて

       

      「 ベルが居ればさみしくなんかないよね 」

       

      「 うん、ウゥッ、ウゥッ 」

       

      ツグはベルに返事をしながら

          フラフラと布団に潜り込みました

       

      やがてツグが静かな寝息を立てるまで

            ベルはずっとツグ君の頬を撫でていました

       

      ・ ・ ・

       

      朝、おばあちゃんはツグ君の布団の中に手を入れると

       

      「 よし! 大丈夫 」と小さく呟きます

       

       

       

       

       

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