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    • 2018.03.18 Sunday
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    ツグ君とベルさん

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      ( ずっと一緒 )

       

       

      陽射しがトウキビの葉っぱを縫って

              ツグ君のシャツに模様を付けます

       

      ツグ君が走れば 模様も走ります

       

      「 おばあちゃん、お髭の黒いこのトウキビも捥いで良い? 」

       

      「 どれ、どれ 」

       

      おばあちゃんはトウキビの皮を少しめくり

       

      「 次春、これを捥いだらエンドウ豆も集めておくれ 」

       

      「 うん、わかった 」

       

      ツグ君はトウキビの髭をちぎり、それを顎に当てると

       

      「 あ〜ちゃん、お爺さんだぞぅ 」

       

      「 あ〜ちゃんも、あ〜ちゃんも 」

       

      ・ ・ ・

       

      エンドウの畑は人を拒むように

       

      その弦を城壁の様に伸ばし 行く手を阻んで居るように見えます

       

      ツグ君は畑の奥まった場所に

       

      一際大きなエンドウ豆の実を見つけ

       

      両手でその実を引き千切ろうと引っ張ります

       

      ドシン!

       

      弦が千切れると同時にツグ君はしりもちをついてしまいました

       

      「 あれ? 」

       

      両手で包んでいるエンドウの鞘が淡い緑色に光っている

       

      指先を少しずつ広げると 声が聞こえます

       

      「 ファァ〜ッ 」

       

      広げた手のひらの上で 小さな妖精が伸びをしています

       

      ツグ君は、顔を近づけ覗き込むように

       

      「 僕は川上次春、君はだぁ〜れ 」

       

      「 あっ、わかった、ベルさんでしょ 」

       

      「 僕、ご本で読んだことが有るから知ってるんだぁ 」

       

      パフッ

       

      ツグ君は手のひらをいきなり閉じると走り出し

       

      「 おばあちゃん、ベルさんを見つけたよ 」

       

      おぱあちゃんは ツグ君の差し出す手のひらを眺め

       

      「 大きなエンドウだけど それだけじゃ足りないよ 」

       

      ツグ君の肩の上で声が聞こえる

       

      「 フフフ、ベルはツグ君にしか見えないよ 」

       

      「 次春、エンドウ豆をこのザル一杯に

                   取って来ておくれ 」

       

      おばあちゃんはツグ君にザルを渡すと

                トウキビの入った籠を持ち上げ

       

      「 ばあちゃんは、ちょっとトウキビを

                  家に置いてくるからね 」

       

      と言って、ツグ君の話は聞いて貰えません

       

      「 あ〜ちゃん、あ〜ちゃんはベルさんが見える? 」

       

      「 あ〜ちゃん、わかんない 」

       

      ベルさんはあ〜ちゃんの肩の上に乗って

       

      「 フフフ 」と笑い

       

      淡い光を残して、スゥーとエンドウ畑に消えていきました

       

      ・ ・ ・

       

      夕ご飯を済ますと おばあちゃんが

       

      「 次春、彩那、パパとママに

               おやすみなさいをしようね 」

       

      ツグ君は慣れた手つきで仏壇の引き出しから

                     お数珠を取り出し

       

      「 はい、あ〜ちゃん 」

       

      二人はおばあちゃんの後ろに並んで正座をします

       

      チーン

       

      ツグ君はパパの匂いを覚えています

       

      ママの匂いを覚えています

       

      パパとママを車ごと飲み込んだ

            赤い赤い炎を覚えています

       

      「 ナムナム・・・・ 」

       

      「 おやすみなさい 」ペコリ

       

      「 次春、寝る前にオシッコに行くんですよ 」

       

      「 もう行ったよ 」( 噓です )

       

      「 おにいちゃん、オネショしちゃだめですよ 」

       

      「 あ〜ちゃんは、うるさいのっ 」プンプン

       

      布団の中でウトウトしていると

       

      「 ツグ君、ツグ君、オシッコに行くんでしょ 」

       

      「 う〜ん 」

       

      「 ツグ君、ツグ君、起きて、起きて 」

       

      瞼を少し開けるとベルさんが鼻の頭に立っています

       

      ツグ君は目をこすりながら布団から立ち上がると

       

      おじいちゃんが「 ツグ、どうした 」

       

      「 うん、オシッコ 」

       

      「 おぅ、行っといで 」

       

      縁側に出ると トイレまでの廊下を

       

      ベルさんが案内するみたいに

       

      スィー っと淡い光の筋を付けて飛んで行きます

       

      バタン

       

      オシッコが終わり トイレから縁側の廊下に出ると

       

      少し冷たい風が ツグ君の背中を押します

       

      エッグッ!

       

      ツグ君の瞳から大きな涙が頬を伝い落ちてゆきます

       

      「 ママ、・・ママ 」

       

      ウゥッ、ウゥッ、ウッ、ウッ、

       

      涙がとめどなくポロポロと落ちていきます

       

      「 ツグ君、泣かないで 」

       

      「 ツグ君、ツグ君、 」

       

      「 ベルがついているからね 」

       

      「 ベルはずっと一緒だからね 」

       

      ベルはツグ君のほっぺに体を摺り寄せて

       

      「 ベルが居ればさみしくなんかないよね 」

       

      「 うん、ウゥッ、ウゥッ 」

       

      ツグはベルに返事をしながら

          フラフラと布団に潜り込みました

       

      やがてツグが静かな寝息を立てるまで

            ベルはずっとツグ君の頬を撫でていました

       

      ・ ・ ・

       

      朝、おばあちゃんはツグ君の布団の中に手を入れると

       

      「 よし! 大丈夫 」と小さく呟きます

       

       

       

       

       

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      僕とクイちゃんとパパ ( ウル・クイ・レン )

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        Photo_7

        今日、幼稚園のバスを降りると 門の前で翔子先生に犬が飛び掛ろうとしています
        「 あっ、犬さん 」その犬は以前 フウがゲージの中で出会ったドーベルマンでした
        「 犬さ〜ん 」フウが近づくと ドーベルマンは地面につっぷし前足で鼻先を抱えます
        「 フウくん、レンを知ってるの?」昨日 園長さんが保健所から譲り受けて来たばかりなのに
        「 うん、お名前は知らないけど 逢ったことがあるんだーぁ 」
        「 先生には未だ懐いてくれないけど フウくんにはとても従順みたいね 」
        「 フウくんは いつも クイちゃんと居るから 動物さんと仲良くできるのかなー 」
        「 レンくん、お鼻痛いの〜 かわいそ かわいそ してあげるね 」とフウはレンの頭を撫でる
        ・・・
        「 兄貴、いやしたぜ! 」
        以前の誘拐犯二人が 幼稚園の柵の外から中の様子を伺っています
        「 此の前の様に 人間の子供を狙うのはどうもいけねえ 今回はあのゴリラにするぞ 」
        「 なんてったって 喋れねえから 居なくなっても 逃げ出したと思っちまうのが関の山だぜ 」
        「 兄貴、頭良いー 」
        「 今は 人目に付きやすいから ひと気が無くなるまで暫く様子を見てからだ 」
        「 暗く成ってから あのゴリラを連れだしに行くとしよう 」
        「 それに あのゴリラ、随分 人懐っこいから連れて来るのも簡単じゃねーか 」
        「 兄貴、頭良いー 」
        ・・・
        「 兄貴、ゴリラの奴 バスに乗り込んでます 」
        「 え、あいつ此処で飼ってるんじゃねーのか 」
        「 安! 車で後を着けるぞ 」「 へい、判りやした 」
        ・・・

        { 夜の動物園宿舎 }

        「 兄貴、鍵、開いてやすぜ 」
        「 まったく、無用心だな ここの住民は防犯意識ってものが無えのか! 」
        ギィー パタン
        「 安! 靴はちゃんと揃えろ たくー、礼儀ってものを知らん奴だなー 」
        「 すいやせん 」
        二人組はフウの寝室に入り込んだが フウは少々の物音に気づく事も無く ぐっすりと眠っている
        「 ゴリラの奴は何処に居るんだ 」そう言いながら 安が押入れの襖を開けた
        「 ギャー 」「 声がでかい、、うわぁー 」
        二人の目に飛び込んできたのは 今までに見た事の無い大きな目玉が二人をギョロリ
        慌てた二人は 玄関ドアを激しく閉め 出て行こうとする
        大きな目玉は 襖から顔を覗かせた 大きく成ってしまったウルちゃんのお目眼だったのだが
        二人にとっては 始めてみる恐ろしい化け物に見えたのだろう
        此の騒ぎを聞きつけた 隣のおばさんが 二人組の後姿を見止め「 どろぼー 」
        大きな声の響く中 二人組は駆け足で姿を消していった
        そんな最中 フウは何事も無かったように 未だ健やかな寝息を立てている

        「 おい、安、今日は抜かるんじゃねーぞ 」
        「 へい 兄貴 」
        「 この前はドジったが 今回は散歩コースらしい
                          この人気のない川沿いの土手であのゴリラを引っ攫うんだ 」

        今日は クイちゃんと手を繋いで お散歩です 
        「 クイちゃん 楽しい? 」「 ワッホ ワッホ 」
        「 ウルちゃん ねんねしてたから 一緒にお散歩出来なかったねー 」
        川沿いの土手の上から 例の二人組みが勢い良く 走り降りてきた
        「 よーし 捕まえたぞ 」「 安! さっさと手を貸せ 」
        「 へい 兄貴 」
        「 オホッ オホッ オホッ 」
        「 おじさん! クイちゃんの事 引っ張っちゃ駄目ー 」
        フウは両手で クイちゃんの腕を思いっきり引っ張りました
        すると 勢い余ったのか フウとクイちゃんは 土手の草むらの中へ
        どうした事か いつの間にか 例の二人組みの姿も消えてしまいました
        「 ウワァ〜 」「 ワ〜・・・ 」
        ジャボーン! ジャボーン!
        「 安〜、助けてく、ブク、ブク 」「 俺は 泳げねーんだ グフ 」
        「 兄貴〜 あっしも泳げねーんで グフ 」
        「 な・流される〜 」「 流される〜 」「 流され・・・」
        ・・・
        「 クイちゃん お空が青くて綺麗だねー 」
        「 ワッホ ワッホ 」

         

         


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        僕とクイちゃんとパパ ( 鬼は外 )

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          「 アニキ〜、 なんで こんな格好をするんですか? 」
          「 俺、恥ずかしいス 」
          「 安、今日は何の日か 知ってるか? 」
          「 え〜っと う〜ん 解かんないっス 」
          「 今日は 節分なんだよっ 節分といえば豆まき
                    幼稚園でも 豆まきをするんじゃね〜か 」
          「 だったら 鬼の格好で幼稚園に上がり込んでも
                          誰も 不審に思わね〜だろう 」
          「 アニキ、頭いいっ 」
          ・・・
          「 すいやせ〜ん オニの役を頼まれたんですが 」
          「 あっ、はい 」
          「 今から、子供達に 豆を配りますから 」
          「 鬼が来た〜って 合図するまで 廊下で待機してて貰えますか 」
          「 はい、分かりました 」
          ガラガラガラ
          「 みんな、今日は何の日ですか? 」
          「 ハーイ、」「 ハーイ 」「 ハーイ! 」
          「 はい、太一君 」「 きょうは せつぶん です 」
          「 そうです、今日は節分ですね 」「 今から 皆に豆を配ります 」
          「 はい 」「 はい 」「 未だ 開ちゃ駄目ですよ 」「 はい 」
          「 それでは、皆で 豆まきをしましょう 」
          「 あっ、オニが来た! 」
          ガラガラガラ
          「 なぐごわおらんか〜 」ポカッ!
          「 それは なまはげ だろ〜が 」
          「 じゃあ なんて言えばいいんスか? 」
          「 ガォーじゃ 怪獣だし、相手は子供なんだから オニだぞ〜、でいいんじゃないか 」
          ダダダダ 「 オニだぞ〜 」
          「 ウェ〜ン、エ〜ン、 」
          「 泣かないでねっ、いい子だから 泣かないでちょうだい 」
          赤オニが 手招きしながら「 おいこら! 青オニ! 」
          「 えっ、あっしの事ですか? 」
          「 こっちに 来いって 言ってんだろ〜が 」
          「 へい 」
          「 なに、真剣にオニに取り組んでんだ 」
          「 此の辺で オニだぞ〜って 言ってりゃいいんだよ 」
          「 オニだぞ〜 」「 オニだぞ〜 」
          「 はい、みんなで 鬼は外ですよ〜 」「 せえ〜の 」
          「 鬼は外 」「 鬼は外! 」  
          「 はい、豆を投げて 鬼を追い出しましょう 」
          「 鬼は外 」
          フウは思い切り 力を込めて 豆を投げました
          「 あ痛てっ!! 」
          「 なに でかい声出してんだ 」「 だって、痛いんスもん 」
          「 たかが 豆粒じゃ、痛てっ〜〜、」
          「 痛ててっ、」「 アニキ、涙目に成ってやすよ 」
          「 安、逃げるぞっ! 」「 へい 」
          ダダダダダ 「 痛てっ、」
          赤オニと青オニは 一目散で逃げ出しました
          ( 翔子先生は鬼を頼んだのは 園長先生だと思ってる )
          「 園長先生、どうも ありがとうございました 」
          「 子供たちも 大喜びでしたよ 」
          ( 園長先生は 豆を余分に買って置いた事に 感謝されてると思ってる )
          「 いえ、大した事では 」
          「 子供達に 喜んで貰えて 私も嬉しいですよ 」

           

           

           

           



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          真奈 ・ 1

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                            ( 何か居る )

            「 う〜ん 」・・・
            モゾ、モゾ 「 えっ! 」
            ( 布団の中に 何か居るっ )パサッ、ソロリ、ソロリ、
            聖は 布団から慎重に抜け出した!
            何が潜んでいるのか解らないが 正体を確かめねば
            意を決して 掛け布団をゆっくりと捲り上げて見る
            「 あれっ! 」
            布団の中には パジャマ姿の小さな女の子が 寝息を立てていた
            「 かあさ〜ん 」
            ・・・
            「 聖、子供じゃ有るまいし 朝から大きな声を出して 騒々しいねっ 」
            聖は 布団の中の女の子を指差し「 かあさん、この子 」
            「 あっ、真奈ちゃん 何時の間に こんな所に? 」
            「 何処の子? 」
            「 自分の娘に対して 何処の子は無いだろっ 」
            「 ほんとにっ、あたしが言いたいよっ、
                      お前は 一体何処の子なんだい
                            そんな子は育てた覚えは無いよ 」
            「 自分の娘? 」
            「 俺、独身だぜ、」
            「 だから 何だって言うのさ 」
            「 えっ、えっ、ちょっと待って 全く話が見えないんだけど? 」
            「 ぐだぐだ 言ってないで 会社はいいのかい もう、八時だよ 」
            「 げっ、マジ ヤバイっ 」
            聖は バタバタと着替えを済ませ 「 いってきま〜す 」
            通勤電車の中でも、会社に着いても
            聖の頭の中は 今朝の出来事について あれこれと思いが倒錯していた
            「 うぅぅぅ・・・ 」
            「 どうした、聖、熱でも有るのか? 」
            「 あっ、実は先輩、娘がね・・・
            「 おぅ、真奈ちゃんの事か? 」
            「 あ〜っ 一体なんなんだよ〜・・・

             

             


            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                         ( おかえりなさ〜い )

            あれこれと思い悩む内に 退社時間を迎えた
            聖は 通勤電車のつり革にぶら下がる様に摑まりながら 思いを巡らせた
            先ずは 家に帰ってから 如何いう風に 話を進めていけば善いのだろう
            下手な口上を吐けば 只の冷血漢扱いに終わってしまう
            なにせ 俺の中では 真奈についての事柄が皆無なのに対し
            周りの誰もが 俺の娘であると言い出すのだから
                          中々、聞き質す事は容易ではない
            うん、先ずは本人から 情報を引き出すべきであろう
            相手は 小さな女の子だから 言葉を選んで聞き質す様にしよう
            先ずは 「 ママのお名前覚えているかな? 」
            次に 「 真奈は 幾つに成ったのかな? 」
            う〜ん、情報を引き出せたとしても
                     今の俺が置かれている状況が変わるのかっ?
            キ〜ッ ガチャン
            考えがまとまらない内に 電車は駅に着いてしまった
            え〜い、当って砕けろだ!!
            ゴクリ、生唾を飲み込み・・・
            聖は 自宅の玄関戸を 恐る恐る開け「 ただいま〜 」
            ダダダダダ
            「 パパ、おかえりなさ〜い 」 ピトッ
            真奈に 行き成りお出迎えされた上 抱き付かれ
                  つい先程まで考えていた段取りは 一気に吹き飛んでしまう
            なにせ こんなに懐かれては
                    パパも善いもんだなんて思っちまうのである
            「 真奈ちゃん、それは反則だろ〜 」

             

             


            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                           ( おパパごと )

            真奈の素性に関して それとなく聞き出そうと 試みるが
            いざ 本題に入ると 俺の言葉は 禁止ワードの様にかき消されて行く
            本人は 懸命に話しているのだが クチパク芸人の如く 声に成らないのである
            唯一、話が出来るのは 真奈 本人だけだったが これまた会話が成立しない
            「 真奈、ママの お名前は覚えてる 」
            「 うん、さっちゃんはね〜 高見幸子って言うんだよ 」
            ( は〜ぁ〜 真奈に旧姓つっても 解かんね〜だろうな )
            ( アンダーネームだけでも よしとするか )
            「 じゃあねっ ママは今 何処に居るか知ってる 」
            「 うん、あっち 」と指し示す
            ( あっちって どっちなんだよ )
            「 ウ〜ン 真奈は 幾つに成ったのかな? 」
            「 こんだけ 」と指を四本立てた
            ( 四才と言う事は 真奈は 俺が17才の時に生まれた訳だ )
            ・・・
            「 聖、母さんが昨日 腰を痛めたらしいから
                         今日は真奈を保育園に送ってやってくれ 」
            「 うん、わかった 」
            保育園は我が家の 斜め向かいに有り 送ってゆくと言った程の物ではない
            パタパタパタパタ「 ち〜ちゃん 」
            「 あのね〜 今日は 真奈 パパと来たんだよー 」
            「 へ〜 あそこに居るのが 真奈ちゃんのパパなの? 」
            「 すごく 若いパパなんだねっ 」
            「 おはようございます 」
            「 おはようございます 真奈ちゃんのクラス担当の湯月ちなみと申します 」
            「 真奈ちゃんのお父さんですか お若いんですね 」「 はぁ、」ペコッ
            「 それでは よろしくおねがいします 」
            聖が 立ち去ろうとすると クィ、クィ、と 真奈がズボンの裾を引っ張る
            「 ん! 」
            「 パパ、浮気なんかしないで 真っ直ぐ帰ってくるんですよ 」
            「 プフッ! あっ、ごめんなさい つい・・・ 」

             

             


            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                           ( ジュース )

            「 ねえ、パパ、お散歩に行こう 」
            「 美紀ちゃんも 昨日 パパと公園に行ったんだって 」
            「 真奈も お散歩に行きたいよ〜 ねえ ねえ 」
            「 わかった、わかった、連れてってやるから そう せっつくな 」
            「 やったー、おさんぽ、おさんぽ 」
            ・・・
            真奈と手を繋いで 公園に出掛けた
            行き交う人に 片っ端から手を振る 真奈を咎める訳にもいかず
            俺は 気恥ずかしさで うつむき加減で歩く
            「 パパ、どっか痛いの? 」
            「 いやっ、なんでもない 」
            顔を上げると 自動販売機が目に入った
            「 真奈、喉渇いてないか? 」「 パパ、喉がカラカラだっ 」
            ポケットに手を突っ込んで 小銭を探ったが
            「 これじゃ 一本しか買えね〜な〜 」
            「 真奈、どれが良い 」「 これ! 」
            カチャン ポン 「 あれっ 」
            カチャ カチャ カチャ 「 ダメだ 」
            ジュースはおろか 小銭さえも帰ってこない「 ついてね〜な〜 」
            「 真奈が お願いしてみる 」
            真奈は自販機に向って 手を合わせると「 ムニャ、ムニャ、ムニャ 」
            「 機械さん お願いします 」カチャッ、
            ガチャン、カコーン・・・ピピピピピッ、ピィー
            「 真奈、すげーな もう一本の当りまで出たぜ 」
            ポン ガチャン、カコーン
            「 ラッキーっ 」
            「 あそこのベンチに持っていって 其処で飲もうか? 」「 うん 」
            「 よいしょっと 」
            ゴク ゴク ゴク
            「 パパっ、はい 」
            「 なんだ もういいのか? 未だ残ってるぞ 」
            「 真奈は もう飲めないから パパにあげる 」
            ゴク ゴク
            「 パパっ、間接キスだね 」
            「 ブッ!、ゲホゲホ、ゲホ 」

             

             


            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                           ( かぐや姫 )

            「 真奈、何見てるんだ 」
            「 なんだ、かぐや姫の絵本を見てるのか〜 」
            「 パパ、此れがさっちゃんだよ 」
            「 どれどれ、へ〜っ 真奈のママはかぐや姫さんだったのか 」
            「 じゃあ、真奈は ルナリアンてえ事だね 」
            「 違うよっ、真奈は此れっ 」と絵本に指を差す
            「 真奈は、ウサギさん、ピョン、ピョン 」
            ( オッ、そう来たか )
            「 じゃあ、パパは差し詰め 浦島太郎って所か 」
            「 パパはパパだよ 」
            「 そんなの 常識でしょ 」

            カクッ!

            「 そ、そうだね 」

             

             


            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                           ( お砂遊び )

            「 あっ、あっく〜ん 」
            「 保育園のお友達か? 」「 うん 」
            「 パパ、此処で待ってるから お砂場以外は行くんじゃないよ 」
            「 は〜い 」
            ピッ、ピッ、ピコ、ピコ、
            ベンチに座って アプリゲームをしていると
            「 パパ、帰えろ〜 」
            「 なんだ、もう 飽きちゃったのか? 」
            「 だって あっくん 直に チュウしようって言うんだもん 」
            「 たく〜っ マセたガキだな〜 」
            「 真奈は チュウしないって ちゃんと言ったのか? 」
            「 言えないなら パパが言って来てやる! 」
            「 パパ、やきもち、焼いてんの 」
            「 ははははっ、そういう事に成るわけ 」

             

             


            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                            ( 遊園地 )

            今日は真奈を連れて遊園地にやって来た
            「 パパ、あれに乗ってみたい 」
            「 何々、身長120cm以上、真奈は未だ小さいから駄目だってさ 」
            「 ねえパパ、あれなら乗れる? 」
            「 あっ、これも駄目だ 」
            ( 遊園地に連れて来たものの こりゃ、失敗したかなっ )
            中央広場に着ぐるみを見つけて
            「 真奈、あそこにウサギさんがいるよ 一緒に写真でも撮ろうか? 」
            「 パパ、知らないの? あの中には人が入ってるんだよ 」
            「 そっ、そうか 」

             

             


            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                           ( ふりかけ )

            真奈は此の所 ふりかけに凝っている
            「 ふりかけ、ふりかけ、」
            「 パパのご飯にも かけたげる 」「 ありがとう 」
            「 パパ、美味しい? 」「 うん、美味しいよ 」
            次の日
            「 ふりかけ、ふりかけ、」
            「 パパ、お茶碗出して 」「 はいよ 」
            「 パパ、美味しい? 」「 うん、美味しいよ 」
            その次の日も
            「 ふりかけ、ふりかけ、」
            「 パパ、ふりかけるね 」「 はい、はい、」
            ( ん! 今日のふりかけは、なんだか変わってんなぁ )
            「 パパ、美味しい? 」
            「 真奈、お願い、チョコは 止めよう〜 チョコは 」
            「 なんで? 」
            「 う〜ん、お菓子だからだよ 」
            「 うん、判った 」 ホッ!

             

             


            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                            ( キャーッ )

             

            春の陽気に誘われて 公園の芝生の上で
            「 えいっ、」ポスッ、
            「 やぁー、」ポン、
            「 そんな攻撃は効かないぞっ チビ真奈、」
            「 捕まえて食べてやる、ガオーッ 」
            「 キャーッ 」パタ、パタ、パタ
            「 待てぇ〜 」
            「 キャーッ、変態おやじが来た〜 」
            この攻撃は効いた、聖はその場所から 一歩も動けなくなった

             

             


            ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                           ( 誕生日 )

             


            「 パパっ、ツバサちゃん人形だよ 」
            「 お店の人に頼んであるから 大丈夫だって 」
            七月七日は真奈の誕生日であったが 事前に真奈から
            着せ替え人形をせがまれていた
            「 行って来まぁ〜す 」
            聖は出社すると直ちに部長のデスクに向かい
            「 部長、今日は定時で上がらせて頂けますか 」
            「 おう、わかった
               今日は真奈ちゃんの誕生日だものなぁ 」
            「 はい 」
            「 聖、帰りがけに総務の泉君から
                 バースデイケーキを貰って帰るんだぞ 」
            「 はぁ? 」
            「 はぁって返事はねえだろうが 」
            「 はい! 」
            しかし 何で部長が真奈の誕生日を知ってんだ?
            其の日の仕事を終え 総務課に向うと
            「 あっ、聖君 」
            「 泉さん、部長が・・
            聖が話し終る前に
            「 これっ 」と 包みを渡され
            「 真奈ちゃん誕生日なんだって
                     おめでとうございます 」
            「 あっ、ありがとうございます 」ペコ
            俺の預かり知らぬ所で
            真奈を中心に世の中が動いている様にも思える
            ・ ・ ・
            「 ただいま〜っ 」
            ダダダダ
            「 パパ、おかえり〜っ
                   ツバサちゃんは? 」
            「 はい、此れだろ 」
            ダダダダダ
            ダダダダダッ
            「 パパ、ありがとッ 」チュッ
            「 真奈、いくつに成ったんだ 」
            「 パパ、女性に年齢を聞いちゃ
                   ダメなんだよっ、わかった 」
            ふぅー
            「 はい、はい、わかりました 」


             

             

             

             

             

             




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            僕とクイちゃんとパパ ( イチゴが大好き )

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              Photo_9


              「 おい 風(フウ)、此処に有った黒い飴玉を 知らないか? 」
              [フウ] 「 うん ! おいしかった ! 」
              [健次郎] 「 え! 食べちまったのか? 」
              「 おなかは お腹は痛くないか? 大丈夫なのか? 」
              「 うん 」
              「 たくー 困った奴だなー お前は何でも直ぐに口に入れちまう 」
              「 此の前も 俺の作ったシャボン玉の液を口に入れて 大騒ぎに成ったばかりだろーに 」
              「 フウが食べたのは 叔父さんが 新しく作ったお薬だったんだぞ 」
              「 苦く 無かったよ 」
              「 お前と付き合うのは ほんと 疲れるわ 」
              「 フウ、もう一度聞くが 二つ有ったお薬 全部食っちまったのか? 」
              「 う〜んぅ 1つはウルちゃん(フクロ・モモンガ)に分けてあげた 」
              「 しょうがねーなー 」
              健次郎は 携帯を取り出すと 兄の健太郎に電話を掛けた
              「 あっ 兄さん 健次郎だけど 実はフウの奴が又やっちまった 」
              「 俺の作った薬を食っちまったんだ 」
              「 だから 今日一日は フウの体調に 十分気を付けてやって欲しいんだが 」
              「 ごめん フウが来る前に片付けるべきだったんだが ほんと ごめん 」
              「 今のところ異常は無い様だから 大丈夫だとは思うけれど そういう事で よろしく 」
              「 フウ、ところで今日はクイ(マウンテン・ゴリラ)のやつは来てないのか? 」
              「 クイちゃんは お留守番 」
              「 あいつが居れば フウより先に 全部食っちまったろーに 」
              僕の名前は 高岡 風です 健次郎叔父さんはパパの双子の弟で発明家をしています
              ウルちゃんは 僕のペットで クイちゃんは、パパの勤める動物園で生まれたゴリラです
              僕のママは今はお墓の中で暮らしています クイちゃんのママはイヤイヤするので
              小さい時から クイちゃんは僕と暮らしています
              今は 食いしん坊のクイちゃんと お目眼がウルウルのウルちゃんと パパと僕は
              動物園の隣にある 宿舎に住んでいます
              僕は幼稚園の年小さんで 園長さんがパパの友達だから
              クイちゃんも一緒に幼稚園に通っています
              只、幼稚園の中では クイちゃんは園長室から出てはいけないので あまり遊べないです

              何事も無く 一日は過ぎ 翌朝の事であった
              「 ウルちゃん おはよー 」
              ウルちゃんは 押入れの中が大好きで 何時も襖の隙間から顔を出します
              「 あれー 大きくなったね ウルちゃん 」
              襖の隙間から出てきた ウルちゃんの頭は フウと同じくらい大きかった
              フウは襖を開けると ウルを引っ張り出して 自分の頭に乗せてみたが
              ウルの体が大きくなって まるで毛皮のマントを羽織っている様な 感じに成ってしまう
              大きくなっても ウルちゃんは 頭の上でいつも通り プルプルしています
              フウは ウルが大きくなっても別に不思議とも思わず いつも通り 御飯をあげると
              「 ウルちゃん いってきまーす 」と幼稚園の送迎バスに向かいます

              「 フウ君 おはよう 」
              いつも 一番にあいさつをするのは 翔子せんせいです
              そしていつも フウのことを抱っこしてくれます
              翔子せんせいは 優しいし いい匂いがします
              クイちゃんが 下で 抱っこしてポーズをしています
              「 クイちゃん ダメ! 」
              クイちゃんは 僕のライバルです 翔子せんせいの抱っこを譲るわけにはいきません
              「 園長先生、クイちゃんを抱っこして 」
              「 おお そうか そうか 今日もクイは元気だなー 」
              クイちゃんも 僕にライバル心を燃やし 抱っこされて 得意げです
              僕もクイちゃんもイチゴが大好きです
              お昼のデザートの僕のイチゴを狙って手を伸ばしてきます
              「 クイちゃん ダメ! 」
              クイちゃんから イチゴを守ろうと 
              お手々でギュしたら 手の中でイチゴがベチャベチャに成ってしまいました
              「 クイちゃんのバカ ! 」と頭をポカリ
              クイちゃんは 椅子ごと大きく倒れ 頭を抱えて 蹲ってしまいました
              「 ごめんね、 痛いの、 」「 かわいそ、かわいそ、してあげるからね、」
              しばらく クイちゃんの頭をやさしく撫でてあげました
              でも クイちゃんのご機嫌は直りません
              横で見ていた 園長先生が 自分のイチゴをクイちゃんの口に入れて上げると
              直ぐに ご機嫌回復 やっぱり クイちゃんは食いしん坊です
              帰りのバスに乗ろうとすると 春斗君のママに呼び止められました
              「 フウ君 今日は春斗のお誕生日だから おばちゃんのお家で 一緒にお食事しましょ 」
              「 フウ君のパパにもちゃんと伝えてあるし クイちゃんは 園長先生が送ってくれるそうよ 」
              「 う〜ん イチゴは有るの? 」
              「 イチゴ ねぇ それじゃあ 途中で買っていきましょう それで良いでしょ 」
              「 うん! 」
              「 あら・・・ 春斗、お弁当箱はどうしたの 」
              「 あっ! 忘れた 」・「 取ってくる! 」
              「 フウ君 春斗が来るまで 車の中で待っててくれる 」
              「 うん 」
              ガチャ、バタン、シートに座ったフウは なんだか お眠です
              カチャ、・・・ パサッ

              「 おい! 安 」
              「 はい、兄貴なんですか 」
              「 お前 何処の子を連れてきたんだ 」
              「 西園寺さんの 坊ちゃんですが なにか? 」
              「 平仮名位は 読めるだろう 名札になんて書いてある 読んで見ろ 」
              「 え〜と、たかおか ふう あれ! おかしいなー
                確かに 西園寺さんの車の中で 寝ていた坊主を連れてきたですがねー 」
              「 それと 其処に居る ゴリラの子供は なんなんだ! 」
              「 あっ、こいつですか こいつはいつの間にか俺の車に乗っかって付いて来ちまったんです 」
              「 けっこう 大人しいし 俺んちで飼ってやろかなー なんて 」
              「 バ〜カ ゴリラって〜のは 大人に成りゃ〜 お前より大きく成んだぞー 」
              「 まあいい そのガキの身代金は300万位にして
                              ゴリラの方をヤミで売り飛ばしゃ、 相当な金に成ら〜な 」
              「 なんてったって ゴリラといえば 絶滅危惧種だかんな 」
              「 兄貴、頭良いー 」
              「 そうと決まれば そいつら ドーベルマンのゲージにでも 放り込んどけ! 」
              「 でも兄貴 そんな事すれば ドーベルマンに噛まれちまいますよ 」
              「 ドーベルマンはリードで 隅に繋いどけばいいじゃねーか 」
              「 はい! 判りやした 」
              クイは 余程退屈だったのか フウの鼻の穴に 指を入れた
              「 いゃん! 」
              声を上げて 眼を覚ましたフウが 辺りを見回すと
              「 ウ〜 」
              「 犬さん、 此処は 君のお部屋なの? 」
              更に 「 ウ〜 」
              「 めっ 」フウは その小さな手で ドーベルマンの鼻先をつねった
              ドーベルマンは 余程痛かったのであろう その大きな体を クウの膝元にひれ伏し
              「 クゥ〜ン、クゥ〜ン 」と赦しをこう
              「 ごめんね、 痛いの、 」「 かわいそ、かわいそ 」
              「 あっ! イチゴ 」
              ゲージの作りは クイちゃんの部屋と同じだが 何と言っても 南京錠が付けられていた
              フウは イチゴを食べる思考のみで 何とか扉を開けようと 南京錠を握って捻ってみると
              南京錠は いとも簡単に千切れ落ちてしまう
              「 あっ 壊れちゃった 」
              フウの意識の中では 壊したのではなく 壊れたのである
              「 犬さん 僕、 イチゴ食べにお家に 帰るねー 」「 バイ・バーイ 」
              ゲージの有る廃屋から 外に出たものの 家の場所が判らない
              「 クイちゃん お家はどこ〜 」
              「 フゥー、フゥー 」
              しょうがなく クイちゃんを連れて トボトボとフウは歩き出した
              暫く歩き しゃがみ込んでは また歩く その繰り返しの果て
              遠くから赤いランプが近づいてくる
              「 パトカーだ、クイちゃん パトカーだよ 」
              手を振るフウの前に パトカーは止まった ヘッド・ライトが凄く眩しかった
              おまわりさんが降りてきて「 高岡 風くんですか? 」
              フウは 小さく頷き 「 お家はどこ〜 」
              「 本部どーぞ ! 」
              「 只今、ゴリラを連れた幼児1名 高岡 風くんと確認 確保しました 」
              「 なお 犯人は未だ不明 至急、応援願います どうぞ 」
              「 フウ君 怖いオジサンは どうしたの 」
              「 知らなーい 」・「 お家はどこ〜 」
              「 じゃあ〜ぁね 今迄 何処に居たのかな おまわりさんに教えてくれますか 」
              「 あっち ! 」
              そんなやり取りをしている間にも 応援のパトカーが 次々とやって来た
              フウの たどたどしい案内で 警官隊が廃屋に踏み込んだ頃には
              ドーベルマンを残し 廃屋は既に もぬけの殻と成っていた

              其の日 幼稚園の遊戯室では 園児たちが あちらこちらで
              折り重なって コイツメ コイツメと奇声を上げていた
              何事かと 部屋に入ってきた 翔子せんせいに
              此の騒ぎの元凶である 莉子ちゃんが耳打ちした
              「 あのね、ゆうべ パパがね、ママのことコイツメ、コイツメしてたの 」
              それを聞いた翔子せんせいは 少し顔を赤らめたが
              次の瞬間 近くに居た園児の一人が泣き出した 其の子の方に目をやると
              三人が折り重なり 其の一番下に成った子が 耐え切れず とうとう泣き出した様であった
              翔子せんせいは 強く、ハッキリとした口調で声を上げた
              「 毅くん、やめなさい!! 」「 はい、みんなもですよ! 」
              「 はい 」・「 はい 」・「 はい 」・「 はい 」
              翔子せんせいの此の一言で この一大ブームは 瞬時に去って行く
              翔子せんせいは 此の愚民どもの王であり 親等とくらぶべくもない 絶対権力者である
              と、先生は不意に フウ君が居ないことに気が付いた
              「 フウ君 」
              誰かが言った 「 フウ君は お砂場で ネンネしてた 」
              翔子せんせいの中で 不安が一気に膨む ( もしや、病気では )
              急いで砂場に駆けつけた翔子せんせいの思いを他所に フウはすこやかな寝息を立てていた
              フウは最近よく眠ってしまう 赤ちゃんの頃に戻ったように 所構わずよく眠る
              近頃めっきり逞しくなった クイちゃんに おぶさって家に帰ることも屡である
              大人達は さほど気にも留めていないが クイちゃんとしては とっても つまらなかった
              クイちゃんは考えた もっと お散歩をせがんだら 遊んでもらえると
              クイは早速 考えた事を行動に移した
              フウが起きている時を見計らって 自分のリードを持ち出しては お散歩をせがむのだ
              「 クイちゃん お散歩 行きたいの? 」
              「 フ・ン 」
              「 じゃあ 行こうか? 」
              「 ワッホ・ワッホ 」
              お散歩のコースは 顔見知りの大人たちの居る所から離れないように パパに決められている
              いつもの様に 川沿いの道で折り返して帰るのだが
              この日は 折り返す場所に 車が立ち往生していた
              フウは 車の脇に立ち尽くす 初老のおじさんに向かって問いかけた
              「 おじさん! どうしたの? 」
              「 うん、小さな僕に言ってもしょうが無いんだけど
                              おじさんの車のタイヤが 側溝に落ちゃったんだ 」
              「 僕、手伝う ! 」
              「 ありがたいけど 小さな子には ムリ、ムリ 」
              「 クイちゃん 力持ちだよ 」
              そう言うと フウは車のバンパーを抱える仕草を見せ「 クイちゃん、手伝って 」
              クイがフウを真似て 車に手を掛けると 車は いとも簡単に持ち上がった
              「 へ 〜 ・・・ ゴリラって そんなに力が有るのかい おじさん、驚いちまったよ 」
              「 ありがとう 何か お礼をしなきゃいかんな 」
              「 いいえ 僕のパパが 誰にでも親切にしなさいって言ってるから いいです 」
              おじさんは 少し怒った調子で「 変に大人びた事を言うんじゃありません 」
              「 君と このゴリラさんの 好きな物は何ですか 」
              フウが小さな声で答える 「 イチゴ 」・・・
              「 ごめん、ごめん、大人気無く強く言いすぎたね 」
              おじさんは フウの腕に付いている迷子札を見つけると「 僕、ちょっと見せてくれる 」と
              中に書かれた住所を 自分の手帳に書き写し
              「 おじさん 今日は急ぐから このまま行くけど 」
              「 後で 良い事が有るから 楽しみにして居なさい 」
              後日、フウとクイ宛に 箱いっぱいのイチゴが 送られてきたのは言うまでも無い



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              僕とクイちゃんとパパ ( ママ )

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                「 フウ、クイもそろそろ大きくなったから
                            クイのママと同じ厩舎に入れて慣れさせようと思ってる 」
                「 クイちゃん ママに会えるの? 」
                「 クイはママと離れて育ったから ママの事が解るかどうか 」
                「 わかるもん! 」
                「 クイちゃんは ちゃんとママのこと わかるもん! 」
                「 フウだって ママのこと わかるもん! 」
                「 フウだって・・・ 」
                「 ママ・・・ 」
                ウワ〜ン エ〜ン エ〜ン エン エン
                パパは 成す術も無く そっとフウの背中をなんども撫でるだけでした
                いつしか フウは泣き疲れ パパの膝で寝息をもらします
                ・・・
                翌日、いよいよクイが ママの居る厩舎に入れられます
                ゴリラの厩舎はドーム型に成っており 上から中の様子を見る事が出来ます
                フウは クイのママが居る場所の真上で クイちゃんが入ってくるのを待ちました
                鉄の扉が開き クイちゃんが キョロキョロ辺りを見回し 入ってきます
                「 クイちゃ〜ん ママはここだよ〜 」
                フウが声を掛けても クイは扉の隅から離れようとはしません
                「 クイちゃん ここだってばぁ 」
                フウは 興奮気味にクイのママを指し示し 身を乗り出しました
                其の途端、「 うぁ〜 」
                ボスッ!
                フウは厩舎の上から真っ逆さまに クイのママの腕の中に
                クイちゃんのママは フウの顔を指で数回なぞると フウのことを抱きしめます
                フウが頭を上げて 周りを見回すと もう1つの顔が覗き込んで来ました
                どうやら クイちゃんのパパのようです
                クイのパパは フウに鼻を近づけ臭いを嗅ぐと
                クイのママから フウを取り上げようとするのです
                「 クイちゃ〜ん たすけて〜 」
                フウの声を聞き付け クイちゃんが 一目散に駆け寄ってきます
                しかし クイのパパが その太い腕を後ろに 振り回すと
                ゴシャーン!!
                クイちゃんは あっけなく後ろに一回転
                「 クイちゃんを いじめちゃ だめっ 」
                フウは クイのママの腕から 身を乗り出し クイのパパの頭を
                ゴン!!
                クイのパパは 堪らず クイちゃんの隣で 頭を抱えます
                「 クイちゃん、おいで 」
                クイちゃんは 恐る恐る フウの入り込んだママの腕の中を覗き込みました
                クイちゃんのママは フウと同じ様に クイちゃんの顔をなぞると
                一人と一匹を一緒に抱きかかえるのです
                「 クイちゃんのママ、あったかいねっ 」
                「 ワッホ、ワッホ 」
                フウは あったかい腕に抱かれ そのまま寝息を立てはじめます
                ・・・
                目が覚めると
                「 あれっ、クイちゃんのママは 」
                「 フウ、起きたのか? 」
                パパがフウを覗き込んで 答えます
                「 クイのママから フウを中々 帰して貰えなくて 参ったぞ 」
                「 最後には リンゴを一抱え渡して フウを預かったんだがな 」
                やっぱり クイちゃんのママも 食いしん坊です
                「 クイちゃんは? 」
                「 フウを お父さんが受け取ると 後に付いて戻ってきちまった 」
                「 ママより フウが好いんだろ〜なっ 」




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                僕とクイちゃんとパパ ( おじいちゃんの帽子 )

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                  Photo_8
                  「 うんしょ うんしょ 」
                  今日は お爺ちゃんの家の近くの浜辺で 地引網のお手伝いをしています
                  「 あれー あんよが付かない 」
                  フウとクイは並んで 地引網の綱にぶら下がっています
                  皆が一斉に引っ張り終えた瞬間 フウとクイの脚が地面に届きました
                  「 それー 」フウは渾身の力を出して引っ張りました
                  ブチ! 持っていた綱がいきなり切れてしまい
                  ドシン! 一人と一匹は 後ろの人に折り重なるように しりもちを付いてしまいました
                  誰かが言います「 ゴリちゃんの力が強えーのか 綱が切れてしもーた 」
                  「 ゴリちゃんじゃないもん、クイちゃんだもん 」
                  「 そうか、そうか、クイちゃんて言うのか 」
                  「 それにしても 綱が弱っていたかもしれんが すごい力やなー 」
                  ようやく 浜辺に 魚が上がってきました
                  クイちゃんは お魚の居る場所に近づいたけど ピチピチはねるお魚を見て フウの後ろに隠れます
                  「 クイちゃん お魚 怖いの!? 」
                  クイちゃんは 何も言わず フウの後ろにピッタリくっいています
                  「 パパー、」
                  少し離れた所から パパが近づいてきました
                  「 フウ、どうした 」
                  「 うん 」「 クイちゃんが イヤイヤするから じいちゃん家にかえる 」
                  「 そうか 」「 それじぁ パパはお魚もらってから帰るから 先に帰って待ってなさい 」
                  おじいちゃん家は 浜辺の近くに有り 今居る場所から お家有る場所がよく見えます
                  「 クイちゃん いこぅ 」 
                  クイちゃんと手を繋いで おじいちゃんの家まで来ると
                  前庭の木下に 赤い物を見つけました 近づいてみると( イチゴだ! )
                  フウがイチゴに手を伸ばすと 草むらから行き成り カプッ!!
                  草むらに潜んでいたヘビが フウの指に噛み付いたのです
                  フウは 突然の出来事に ヘビを振り放そうと 思い切り手を振ると
                  ヘビは お空の彼方へと消え去ってしまいました
                  「 うえ〜ん 」
                  フウの大きな泣き声を聞きつけ おじいちゃんが玄関から飛び出してきた
                  「 フウ、どうしたんじゃ 」
                  「 イチゴ、 」「 あれ!? 」「 ヘビさんが、ヘビさんが、ヒック、ヒック 」
                  「 ヘビは もうおらんようじゃが 」
                  「 あっち 」フウがお空を指差すのですが おじいちゃんには何の事だかさっぱり判りません
                  先程は有った筈の イチゴも見当たりません
                  隣でクイちゃんが口をもぐもぐさせている事には フウは気づく余裕などありません
                  「 フウ お家に入って お手てを洗おうな 」
                  「 う、ん 」フウは 今の出来事が本当に有った事なのか 解からなくなってしまいます

                  フウは おじいちゃんが大好きです じいちゃんが座っていると
                  いつも必ず お膝の上にチョコンと座ります
                  クイちゃんも フウの真似をしてパパのお膝の上に座ります
                  フウが お庭に出ようとすると クイちゃんも同じ様に付いて来ます
                  「 フウ 外は日差しが強いから この麦藁帽子を被って行きなさい 」
                  じいちゃんは フウには少しばかり大きいかと思われる麦藁帽子を すっぽりと被せました
                  「 あははは、まるで帽子が歩いてるようじゃな 」
                  それを見ていた クイちゃんが おじいちゃんに
                  僕も、僕もと せがんでは じいちゃんの服を引っ張ります
                  「 こまったのー クイの分は・・・ 」
                  おじいちゃんは 何か思いついたらしく 自分の部屋から黒い帽子を持ち出してきました
                  「 クイには これがよかろう 」
                  そう言うと クイちゃんの頭に( ポン )と その黒い帽子を乗せました
                  その帽子は 船長さんの帽子で じいちゃんが昔船長さんをしていた頃の 古いものですが
                  クイちゃんは とても気に入ったらしく 両手を上げて はしゃいでいます
                  それ以来 クイちゃんは 何処に行くにも 船長さんの帽子を被ってお出掛けしています




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